★スマホテク★ちょっと補正するとグッと栄える写真に!「色補正の基本」編
最近のiPhoneはとてもキレイに撮れるようになりましたが、それでも補正した方が遥かに良くなるものです。
というのは、撮る時の被写体側が明るいのか暗いのか、順光か逆光かなどとコンディションが変わりますし、完璧に撮れたとしても補正する余地はどこか必ずあります。
むしろ完璧に撮れた時こそ補正で完結させてたほうがいいのですが、今回はその理由も含めてご説明していきたいと思います。
写真の色はレンズやカメラを通して得た客観的な色。
皆さんは「カメラで見るものと、目で見るものの違いは何か」と考えたことはあるでしょうか。一度くらいあるかもしれませんね。
「目で見たほうが視野が広い」というのは皆さんも経験があると思います。そのような画角の違いの他に、色の再現度という点でもカメラと目は働き方が大きく違います。
今回は「色」に焦点を絞って進めていきます。
人の目で認識した色彩は、実はその人の脳の中で無意識に補正されます。
カメラの場合、部屋の中から太陽のもとに出た場合は色温度の補正(ホワイトバランス補正)が必要になりますが、普段見ている目ではそのようなことをする必要がありません。
目というのは「景色を楽しむために見る」というより、「生きていくために見る」という生命維持の前提の上に機能しているので、脳の側で様々な補正をかけていると言われています。
それに対して写真は「記録」という第一目的があり、それを正しい色に確定させるのは人の仕事になります。
今のiPhoneのカメラはすばらしい再現力を持っているので、人が介在しなくてもいいので助かるのですが、それでも補正を勧めるのは「写真に気持ちを乗せる」ための演出が効くからです。
写真を通してセンチメンタルな気持ちになってもらいたければ、そのように補正をかける。
言葉とは違うコミュニケーションができるのが、写真や映像の面白さなのです。
写真に少し演出を加える
こちらの写真をごらんください。
左はもとの写真、右は補正をかけた写真です。
全体的に青く補正することで寒さを想起させ、引き締まった印象を持たせることができました。
また、もとの画像は赤い色が大半を占めるのに対して、補正した画像は暖色と寒色が共存する色幅のある画像に仕上がっています。
こちらの写真は「ブルーボトルコーヒー」の店内なのですが、
例えば店のカラーを写真に込めてインスタグラムに掲載し続けることで、サムネイルにずらりと並ぶ写真の色までコントロールすることができるようになります。
撮影場所:ブルーボトルコーヒー 三軒茶屋カフェ
https://store.bluebottlecoffee.jp/pages/sangenjaya
こちらのサイトにも、ブルーを演出した写真が掲載されていますね。
色を濃くするとキレイになる、という思い込みをやめる
色をコントロールするために気をつけることは「安易に色を濃くしない」ということです。
以前のブログでも取り上げましたが、色というのは明るさという容器に入れるようなものなので、容器が小さいのに色を乗せると滲んでしまいます。
こちらの写真、明るい空をさらに明るくしたため、空の青さが滲んだり歪んだりしてしまっています。
これは、明るさの階調が上に行ききってリミッターが効いているのに、色情報はそのままなので、色が行き場を失ってしまうような感じを想像してもらえるといいかなと思います。これを「色飽和」といいます。
何を演出したいかが大事なので、狙ってそうするのではればいいと思いますが、狙いと違うことが起きて元の写真が台無しにしてしまうのは避けたほうがいいですよね。
こちらの子どもの写真、左の元の写真は顔の明るさよりも本の明るさが目立ちバランスが悪くなっているので、中間の明るさを補正しました。すると今度は壁にある照明や本の色が飽和してきたので、結構色を薄くしています。
しかし、それほど色が抜けている印象はないのではないでしょうか。むしろ淡い仕立てに仕上がって子どものイメージに合ってきたなと思います。
人の目は、色の情報よりも明るさの情報に目が敏感であるため、明るさの構成がしっかりしていることが非常に重要です。ですので、色を濃くすることよりも、まず明るさの補正をかけてから色の補正をすることをお勧めします。
色のトレンドは変わる
最近は動画でも、一眼レフで撮影する段階で加工できるようになり、手軽に印象的な撮影ができるようになっています。
その関係か、最近の動画は淡い色や明るさの映像がトレンドなのかな、なんて思ったりします。
そのトレンドに乗って演出するのもひとつの手だと思いますが、映像の質感は演出には非常に効果的なので、例えば現在なのか過去なのか、冷静なのか情熱なのか、などを表現するために色や明るさをコントロールすることが大切になってきます。
これから映像を志す人も、すでに腕を磨いている人も、日常の中からヒントを得るような気づきを増やしてくれる補正はぜひおすすめです。